ロードキルという言葉を知っていますか?
日本語では轢死(レキシ)と言い、道路で車に轢き殺されることを言います。
日本ではこの「ロードキル」によって多くの動物たちが命を落としています。
実際にどれくらいの数が命を落としているかは、
各高速道路会社調べ によると、
平成29年度の高速道路上でのロードキル処理件数は、なんと4万7千件。
毎日130頭近い動物が轢き殺されている、ということです。
これは、道路全体ではありません。高速道路のみの数字です。
では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
いくつかの原因があります。
①道路が動物の通り道を分断する
動物が通り道として使っていた場所に新たに道路を引いても、動物たちにはその危険性が分かりません。
その危険性が分からないまま道路を横断してしまうので、車に轢かれてしまいます。
②繁殖期
動物は繁殖期になると、相手を求めて行動範囲を広げることがあります。
そして、普段通らない道路まで来てしまい、轢かれるのです。
③動物の習性によるもの
タヌキはびっくりするとその場にうずくまる(狸寝入り)する習性があります。
このような習性からロードキルが起きやすくなることもあります。
このように、動物は道路の危険性が分からないので、道路に飛び出してしまいます。
そして、習性により逃げれない場合もあります。
しかし、原因は動物だけでしょうか?
私たち人間も十分に注意できているでしょうか?
④動物注意の標識を気にしない
車を走らせていると、タヌキやシカなどの動物が描かれた標識を見つけると思います。
これは、この付近は動物が出るので注意してくださいね、という標識ですが、実際にスピードを落としたりする人は少ないです。
⑤動物の活動傾向を理解していない
前述の狸寝入りや、繁殖期について知っていましたか?
また、夕方や朝方は動物の行動が活発になることは知っていましたか?
このような動物の活動傾向を理解すると、ロードキルは減っていくと思われます。
この、①~③のような動物側の不注意と、④~⑤の人間側の不注意が両方起こることで、ロードキルという悲劇が起こるのです。
しかし、動物たちが注意することはできるのでしょうか。
まず道路の危険度を認知できるのでしょうか?
認知できたとして、彼らは道路を渡らない生活が出来るのでしょうか?
ただでさえ、動物たちのエサが無くなっていると言われているこの時代で。
人間側も対処をしてないわけではありません。
フェンスの設置、道路の下や上に動物の通り道を作る、二次被害防止のためのパトロール。
ですが、事実として1日130頭が轢き殺されました。
まだまだ改善の余地があるということです。
この問題を少しでも減らすためにみなさんに心がけてほしいことがあります。
①朝、夕方、繁殖期は特に運転に気をつける
(タヌキの繁殖期は2月~4月です)
②動物注意の警戒標識を見つけたら速度を落とす
③轢死体を見つけたら、道路緊急ダイヤル#9910 に連絡する
④これらのことを知人に紹介する
この4点を意識していただけるとロードキルは減っていきます。
国や自治体に頼る前に、まず私たちの意識から変えていきましょう。
そして、ロードキルという無残な死に方をする動物を減らしていきましょう。
コメント